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胆振西部の5農協が合併したJAとうや湖(石川修一代表理事組合長)の雪蔵貯蔵施設が1月に完成した。クリーンエネルギーによる冷房保存で、作物の高い鮮度とおいしさを提供できるのがメリット。以前から農薬、化学肥料の投入量を削減したクリーン農業にも先進的に取り組んできており、「安全、安心と高品質」の評価を受けている。今後は「雪蔵貯蔵」「クリーン」の特色を生かした作物のブランド化を一層進めていく一方、広域合併の効果を生かした効率的な運用を目指す。
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| 安全で安心な作物提供 |
| JAとうや湖 |
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| JAとうや湖はクリーン農業を進めている |
洞爺湖町成香のJAとうや湖の野菜集出荷場に今年1月、待望の雪蔵貯蔵施設が完成した。冬期間に施設内に蓄えた大量の雪を冷房に利用して作物を保存する仕組み。現在、主にジャガイモを冷房保存している。
同施設は、JAとうや湖が3年間、独自に施設内で試験運用を重ねて今回、国の施策を受けて実現にこぎつけた。
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JAとうや湖の雪貯蔵施設を視察する鴨下一郎環境相(左)
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自然の雪を使った冷房は、適度な湿度が食味を上げる効果を出す。今月5日、視察に訪れた鴨下一郎環境相は「ジャガイモのでんぷんが糖化しておいしくなると聞いている。他地域の作物も取り入れると新たな産業にもつながる。先進的な取り組みを北海道洞爺湖サミットで世界に発信するチャンス」と期待を込めて話した。
JAとうや湖は、昭和62年に当時の虻田、豊浦、壮瞥、洞爺、大滝の5農協が合併して誕生した。道内の農協で最初の合併だった。
「当時の各単協役員や組合員が将来の農業を考えて合併を判断したのでしょう」とJAとうや湖の役員らは話す。
JAとうや湖は広域合併のため、壮瞥の果樹、コメ、大滝のナガイモ、虻田の雑穀、豊浦の畜産、洞爺の青果などと、旧単位農協ごとの特産物に恵まれている。いわば「多品種少量」が特徴。このため、JAとうや湖フェアと銘打った物産展を単独開催できる強みを生かして、本州などで開催し好評を得ている。
クリーン農業の取り組みも大きな特徴だ。合併前の旧洞爺村で取り組まれ、その流れが今のイエスクリーン認証登録の推進につながっている。いわゆる農薬や化学肥料の使用を減らして、作物に合った土づくりの栽培を進めてきた。現在、野菜でみると、14生産集団15品目で取り組んでいる。
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雪貯蔵施設への雪の搬入作業
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販売額で、青果全体に占めるイエスクリーン作物の割合は約30%。「安全、安心で良質なもの」が消費者に受け入れられ、年々需要が伸びている。
「今後も各地域の特産物を生かしながら、イエスクリーンの取り組みを進めて消費者に喜ばれるものを作り、雪蔵では保存野菜をニンジンやキャベツなどに広げて、新鮮で熟成したおいしい野菜を提供していきたい」
イエスクリーンや雪蔵貯蔵施設といった進歩的な取り組みによる経営安定化を図り、広域合併による施設分散の集約化と効率運営を進展、生産農家の高齢化などの課題解決も目指していく。
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| 石川修一組合長に聞く |
 「広域合併して今年で21年になる。当時に比べると、組合員は高齢化などで4分の1の500人に減った。合併前の1農協ぐらいの規模です。
ただ、わがまち、わが農協といった意識がより定着してきたと思っています。
長年、進めてきたクリーン農業は農薬、化学肥料の量を減らしますが、何よりも大事なのは土づくりであり、それを基本にしている。土が良ければ病気などに強い野菜などが自然と作られるようになっているからです。
今年からスタートした雪蔵貯蔵施設は、1年を通じて冷房保存が可能になっています。今はジャガイモ中心で貯蔵していますが、キャベツやハクサイ、ニンジンなど、ジャガイモと同じく熟成して食味が向上して安定的に出荷できる種類を選定していきます。施設のメリットを生かしてフル活用していきたい。
サミット効果と多品種少量の強みもあって、本州などからフェア開催の依頼が来ています。
農協の今後については今のところ現在の施設、店舗を継続していきながら、経営的に厳しくなれば将来的に店舗の縮小や、次の合併を視野に入れていく必要があるでしょう」
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「西いぶり元気事典」は今回をもって終了します。この連載は鈴木利勝記者が担当しました。
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