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【2011年3月18日(金)朝刊】より



   ■ 室蘭市内で自粛や修学旅行見直しなどの動き広まる

 東日本大震災で多数の被災者が出ていることを受け、室蘭市内でも自粛や見直しの動きが広がっている。統一地方選に出馬する候補予定者は事務所開きや集会を延期、遊技場では広告やチラシ配付を自粛したところも。市教委は修学旅行の行き先や時期を再調整している。状況を探った。


 ■■旅行各社■■

 室蘭市内の旅行各社は東北、関東地方向けの旅行を中心にキャンセルが相次いだり、予約を延期するなどの影響が出始めている。関係者は「旅行の需要が高まる時期だけに痛手だが、被害の甚大さを見ればやむを得ない」と話す。市内の中学校は、修学旅行のコース変更を検討する動きを見せている。

 JTB北海道室蘭支店(中島町)は、震災後は一時休園が続いている東京ディズニーランド(千葉)はじめ、行き先や旅行、ビジネスの用途を問わずキャンセルが続いている。また、催行したツアー客が大船渡市(岩手)で地震に遭遇したが、的確な判断で被災地を逃れ、福島空港を経由し9人全員が無事戻ったという。

 栗林航空サービス(中島町)は、函館・湯の川温泉を巡るツアーなど、3月下旬までに同社が受け付けた旅行の8割がキャンセル扱いになった。トラベル・joy(中央町)もキャンセルが続き、旅行日程をゴールデンウイークに延期する人もいるという。「海を見れば津波を連想してしまう。旅先が東北や関東以外でも心情的に旅行は控えたいという方が多いよう」(同社)と話す。

 観光庁によると、被災地域を訪れていたと思われる日本人旅行者数は約4100人。うち安否確認済みができたのは約1600人。残る約2500人が安否確認中という。


 ■■修学旅行■■

 5月中旬から下旬にかけて東北地方への修学旅行を控える室蘭市内の各中学校では、旅行代理店と連絡を取り合ったり、現地の余震や復旧の状態を見守るなど行き先や日程、実施の有無などを検討する動きを見せている。

 既に「旅行代理店と連絡を取り合っている最中」「コースに影響がないと確認したので予定どおり実施する」という学校も一部ある。卒業式シーズンと重なったこともあり、「まだ話し合いになっていない」「地震が起こったばかりなので、これから検討する」という学校も多かった。


 ■■政治活動■■

 東日本大震災の被災地の惨状が明らかになるなか、選挙関連の集会や営業活動、歓送迎会などの自粛の動きが出始めている。

 民主党北海道合同選対本部は知事選告示前の23日まで街頭宣伝行動などの自粛を決め、地方組織に通達した。18日、開催予定だった高橋はるみ道知事と山本雅紀道議を励ます大集会が延期。共産党が20日に室蘭市内で予定していた大門実紀史参院議員の演説会も中止が決定した。


 ■■チラシも■■

 室蘭市内の遊技場では折り込みチラシやダイレクトメールによる営業案内の自粛も行われ始めており、今後、組合を通じて被災地への救援物資の寄付などを検討している。
(野村英史、石川昌希、吉本大樹、成田真梨子)





   ■ 室蘭出身の越谷さんが仙台から帰蘭、「友人が心配」

 室蘭市出身で、宮城県仙台市の東北福祉大学2年生・越谷祐太さん(20)が、仙台市内で地域住民らと数日間の避難生活を送った。相次ぐ余震や福島第1原発の影響から、このほど地元に帰ってきた。「連絡が取れない大学の友人がいる」と身を案じている。

 11日午後、自宅にいた越谷さんは突然、激しい横揺れに襲われた。タンスの上に置いてあった荷物が次々と落ちてきた。「家の中にいては危ない」と、自宅アパートから友人宅へ、必至に自転車のペダルをこいだ。

 アルバイト先に行くと、商品や棚が足の踏み場もないほど床に散乱。不安を覚え、避難先の同市の小学校に駆け込んだ。「大勢の人が避難していた。毛布が足りなくて、新聞紙を掛けて寝た」。寒さに身を縮ませながら、朝を待った。

 マチの変ぼうを目の当たりにした。店先のガラスが飛び散り、道路は陥没して、停電で信号機が点灯しない―。避難場所からは「多くの死者あり」の情報を耳にした。

 福島第1原発の状況が悪化していることから、15日朝に仙台市を発った。バスとJR、フェリーで16日未明に函館へ。迎えに来た両親の車で室蘭に着いた。

 連絡の取れない友人がいる。電子メールを送っても帰ってこない。「実家が石巻市や福島県で、連絡を取れないのはとても心配」。友人からの一報を待っている。
(石川昌希)





   ■ 室蘭市長選、佐藤氏出馬に前向き―21日に要請

 4月の室蘭市長選に向け、市内商業者でつくる道商店街政治連盟室蘭支部連合会(土田昌司郎支部長)と複数の団体は21日、市経済部長の佐藤博氏(60)に出馬を要請する。佐藤氏は今月末に定年退職するが「要請の声があるのなら、お会いして話を聞かせていただきたい」と語り、出馬に前向きとみられる。

 同日、市内で商政連室蘭支部連合会と数団体、市民有志が佐藤氏に要請文を手渡す。市内の複数の経済関連団体も既に佐藤氏支援の方向を打ち出しており「出馬を決断すれば推薦する」としている。

 佐藤氏は千葉工大卒。市役所入庁後、平成14年経済部主幹、18年産業振興課長、19年から現職。同氏は月末まで公務が残っていることから、意向は明らかにせず、退職辞令交付の31日にも態度を表明する見通し。

 室蘭市長選には市会議員の青山剛氏(33)が出馬を表明。また共産党系の団体もほかの候補擁立を探っている。
(統一地方選取材班)





   ■ 登別温泉の歩道にフキノトウ―希望の春、芽吹く

 登別市登別温泉町の歩道で、春到来を告げるフキノトウがアスファルトのすき間から芽吹いているのが見つかった。東日本大震災の影響で暗い影を落とす温泉街に、ほんのり明るい話題を振りまいている。

 場所は雪解けが進む温泉街の泉源公園近くの市道登別温泉通りに面する歩道上。直径8センチほどの花茎に親指大の新芽がのぞいている。

 自然公園財団登別支部によると、大湯沼川の足湯付近には自生しているが「温泉街付近ではあまり見られない」と言う。思いがけない場所に出現した春の使者に、行き交う観光客らが驚いている。
(粟田純樹)





   ■ 伊達市職員らが避難所応援、姉妹都市へ第一陣

 伊達市は17日、東日本大震災で被災したふるさと姉妹都市の宮城県山元町に、18人の職員派遣を決定した。現地入りしている先遣隊からの報告を受け「避難所のお手伝い、炊き出しなど人的応援が必要」と判断した。20日午後に出発する。

 甚大な被害を受けた姉妹都市への職員派遣第1陣。市赤十字奉仕団の女性メンバー5人も炊き出し班として加わり、総勢18人で現地に入る。

 団長は武川哲也保険医療課長(57)。2000年有珠山噴火で市の災害対策本部に詰め、刻々と変わる状況の中、避難所の把握、被災者支援などに奔走した。

 山元町でも当時の経験を踏まえて派遣団を指揮するが、「現地の人から話を聞いて、最も困っている部門をカバーしたい。走りながら臨機応変に対応する」と話す。

 これまでに入った報告も書き留め、「避難所の人手はある程度確保されているので、お手伝い程度になりそうだが、支援物資の仕分け人員が不足しているらしく、労力の多くはそちらに向けられるのではないか」としている。

 第1陣は20日午後の苫小牧港発フェリーで秋田に着き、高速道で山元町に入る。下着類などの支援物資も届ける。派遣期間は27日まで。

 亘理町などの被災者支援も多忙を極めているが、今のところ人的応援の要請は寄せられていない。
(伊藤教雄)





   ■ 伊達大滝区共同浴場・ふるさとの湯が間もなく完成

 既存入浴施設の老朽化に伴い、新たに建設中の伊達市大滝区共同浴場・ふるさとの湯の完成が近づいている。工事現場を覆っていた壁が一部取り外され、すっきりとした外観がお目見えしており、当初の計画より若干遅れているものの、4月11日にはオープンする予定だ。

 大滝区優徳町の国道453号沿いにある既存施設後方に建てられている同湯は、コンクリートブロック造り平屋の約230平方メートル。浴室が現在の2倍となるほか、湯上がり後にくつろげる休憩スペースを新たに設ける。

 現浴場は昭和50年に開設して以来、35年が経過。建物全体の傷みが激しく、冬期間は雪の重みで屋根が壊れる可能性もあり、住民から建て替えの要望が出ていた。

 完成後は、大滝区をはじめとする市民、パークゴルフやノルディックウオーキングなどに訪れた人たちにも無料で開放する予定で、観光振興への効果も期待されている。

 管理人は置かないが、憩いの場として快適に利用してもらうため、市大滝区総合支所では浴場利用者の見守りボランティアを募集する。問い合わせは同支所住民福祉課(電話0142・68局6111番)へ。
(菅原啓)





   ■ ぐるっと洞爺湖プレゼント、3月分は当選70本

 洞爺湖町商工会(朝倉英隆会長)が実施している洞爺湖温泉誕生100年記念の「ぐるっと洞爺湖プレゼント」は、3月のセールで商品券50本、飲食券20本の当選景品を進呈する。

 地域の会員事業所に客足を呼び込むため、100万円の予算を計上し、年間イベントとして企画。昨年12月からスタートし、3月までは同100年記念と銘打って開催。4月からは感謝セールとして展開する。

 参加している会員事業所は商店、薬局、飲食店、ホテル、給油所、理美容所など合わせて89店。各店頭にポスターを掲示し、毎月抽選で景品が当たる同企画をPRしている。

 2月分の抽選は今月16日に行われ、2万6569件の応募の中から73本の当選を決めた。

 問い合わせは町商工会(電話76局2311番)へ。
(伊藤教雄)





   ■ 白老・萩野中が横断幕づくり―南三陸町頑張れ!

 白老町の萩野中学校(古俣博之校長)では、東日本大震災で被災した南三陸町を応援する横断幕づくりに取り組んでいる。昨年4月、3年生が修学旅行でホームステイした思い出の地だ。生徒たちはお世話になった人々の安否に胸を痛めながら、黙々と横断幕にメッセージを書き込んでいる。

 昨年4月21日、修学旅行で3年生が訪れたのは南三陸町入谷地区。海岸線から小高い丘になっており、田畑が広がる静かなマチだ。南三陸町がホームステイ型の教育旅行を受け入れた第1号が萩野中で、マチを挙げての歓迎を受けたという。45人の3年生は6アールの水田で田植えを体験。夜は4、5人のグループで民家に宿泊した。

 古俣校長は「受け入れの理由を聞いてみた。何もない所だが、人との触れ合いを感じてほしい―ということだった。子供たちには最高の体験となった」。今月9日の卒業式の式辞でも、南三陸での体験は伝えられ、その直後の被災だった。「お世話になった町議会議員や観光協会の人に連絡を取ってみたが、まったく連絡がつかない」(古俣校長)。

 横断幕は1メートル×2メートル。「負けるな!!南三陸町!」の文字を大きく添え、卒業生を含めた全校生徒118人がメッセージを書き込んでいる。「今こそ上を向いて歩こう」「言葉が出ない…無事を祈ってます」。

 9日に卒業した石谷翔太君は「ホームステイした家では、みそ作りなどを体験させてもらった。おじいさんとトランプもしたんですよ。大丈夫か心配です」と話していた。

 同校では、隣接する萩野小と一緒に義援金の活動も実施する。古俣校長は「現地に横断幕を届けたいが、手段が見つからない。現地は混乱して大変だと思うが、何とか子供たちの思いを届けたい」と、思いは複雑だ。
(高橋昭博)






【2011年3月18日(金)夕刊】より


   ■ 室蘭でもお彼岸入り、モトマリ墓地に家族連れ訪れる

 彼岸入りの18日、室蘭市内の墓地では先祖の霊を供養する市民らの姿が見られた。気温は午前10時で0・9度(平年3・6度)と低かったが、快晴のもと、訪れた参拝客は静かに先祖のめい福を祈っていた。

 室蘭市舟見町のモトマリ墓地では、午前9時ごろから花や線香、供物を持参した家族連れなどが訪れた。両親や兄弟らとの生前の思い出を懐かしそうに話しながら、墓石に水をかけてきれいに磨く光景が見られた。

 市内の女性(60)は水おけを手に急斜面を上り、両親が眠る墓を訪問。丁寧に墓石を磨き、花束を供えると両手を合わせた。線香の煙る中「また来るからね」と声を掛けていた。
(吉本大樹)



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