燃料として活用されることが多い廃プラスチックを、再びプラスチックとしてリサイクルしようと、室蘭工業大学(佐藤一彦学長)・上道芳夫教授のグループが研究を進めている。すでに、廃プラから石油化学製品の原料となるBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)の生成に成功し、コスト削減につなげている。実用化されれば循環型資源として廃プラを繰り返し利用できる手法だけに注目を集めそうだ。
年間に国内で処理される廃プラは一般が502万トン、産業用が492万トン。このうち、5割強が燃料や発電用のエネルギーなどに使われ、再利用は2割でペットボトルなどに加工される。残りは利用されず埋め立てや焼却処分という。
上道教授らの研究は廃プラを再資源化することで、限りある資源の有効活用を目指す。これまでの研究によると、廃プラにガリウムなどの触媒を加え500〜600度で加熱すると、石油化学原料となるBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)に戻ることが実証されている。抽出されたBTXは液体でプラスチック製品への加工が可能だ。
現在は、コスト削減や多様な廃プラに対応するため、触媒の改良を進めている。特に塩化ビニール系に対応するため、ガリウムにアルミニウムを加えて分解能力を高める技術の確立を急いでいる段階。併せて、廃プラの選別技術が高まれば、よりコスト軽減にもつながってくるという。
この技術を応用すればプラスチック製品が廃プラとなり、触媒を加えて化学反応させればプラスチックの循環が完成する仕組み。「再利用した場合でも再製品に質の低下はない」(上道教授)のが大きな特徴だ。
今後は、複数の触媒で実験を繰り返し、ポリエチレンからエチレン、ポリプロピレンからプロピレンを取り出す手法についても研究を本格化させる。
上道教授は「廃プラを燃料に利用するだけではなく原料まで戻すことで、再びプラスチック製品への加工が可能となる。プラスチックを循環型資源としてリサイクルできるシステムの構築を目指している」と話し、環境問題への取り組みを内外にアピールする考えだ。
(佐藤重伸)
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