
室蘭市海岸町3の西山省三さん(86)が趣味でこつこつ尺八を手づくりしている。すっかり生きがいになっているが、これまでに100本以上を作製し、仲間からも喜ばれている。
西山さんが尺八をつくり始めたのがおよそ20年前。釣りが縁で知り合った尺八の師匠から塩ビ管の尺八をもらったのを機に、明暗虚竹会(現代表は谷口法虎さん)に所属した。
「習い始めたころ、尺八は1本15、16万円はした」という高価なしろもの。尺八教室のテキストをもらったり、東京の業者の協力を得られたこともあり、一念発起した。
一時、営林署に勤務して根曲がり竹でかごを作っていたという手先の器用さも手伝い、試行錯誤で製作。最初はさすがに失敗の連続だったが、これまでに100本以上は作り上げたという。
真竹は安く分けてもらい、物差し、小刀、特殊なドリル、ヤスリなどを駆使し、1本つくるのに2カ月ほど掛かる。口を付ける歌口と呼ばれる部分は流派により異なり、調律には苦労が尽きないが、仕上がった時は感無量。完成品は仲間に材料費程度で分けている。「喜ばれるとうれしい。次はもっといいものを」と研究熱心だ。
演奏の行為は正式には「吹禅」。「明暗虚竹会の尺八は一般の民謡と違い、禅の尺八。人に聞かせるものではない。複式呼吸で健康に役立つほか、吹いていると無我の境地に入る」と、至福のひとときを味わっている。
(野崎己代治)
【写真=尺八をこつこつ手づくりしている西山さん】
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