世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザの世界的大流行に対する警戒水準を「4」に引き上げたのを受け、胆振支庁は28日、中岡正憲支庁長を本部長とする「新型インフルエンザ対策本部」を設置、感染防止に全庁的体制で取り組みを開始した。また教育機関、民間企業でも警戒を強める一方、薬局ではマスクの需要増に備える動きも出始めた。 (竹浪恒一郎、佐藤重理、山田晃司、松岡秀宜、野村英史、横山郁美)
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◆―教育局が管内学校に対応通知
同本部では市町、病院ほか、相談窓口(電話0143・24局9843番)で相談を受け付けている。厚生省ホームページの保健所用Q&Aでは発熱、けん怠感、食欲不振、咳など通常のインフルエンザ症状を示し、米国やメキシコへの渡航時には、感染を防ぐためマスクを着用、積極的に手洗いやうがいなどインフルエンザ様の症状があった場合は現地の医療機関を受診する―と対処方法を紹介。
支庁のパスポート発給カウンターでは渡航の規制は行われず「今後、メキシコや北米などへの旅行では、外務省や厚生省のホームページで注意事項を確認してほしい」と呼び掛けている。
道教委の「新型インフルエンザへの対応」通知を受け胆振教育局は、緊急に管内11市町の教育委員会と道立学校22校に同通知をメールで配信した。内容は(1)日常的な感染予防と留意点について(2)学校での流行の予防措置について(3)学校における緊急時の連絡体勢の整備について(4)海外への修学旅行、海外旅行、留学について(5)その他―の5項目。
同教育局は各市町の教育委員会に市町内各校への通知を呼び掛け「万が一に備えて早急に対応しなければならない」としている。
◆―戸惑う各自治体
国の豚インフルエンザ問題への新たな対応に伴い、道は28日、対策本部を新型インフルエンザ対策に移行したが、市町村への具体的指示には至っていない。室蘭市は“とりあえず”対策本部を設置できる要綱の策定を決めたが、各自治体は戸惑いを隠せない。
新型インフルエンザへの危機管理に関して国は、昨年末に対策行動計画を示したばかり。道もこれを待ち、市町村の役割を明確化した同計画を策定中。これを受け市町村自治体は策定準備を進めるスケジュールだっただけに、どこも感染症に対する組織や行動計画などはないのが実状。
相談窓口を設置している室蘭保健所への問い合わせ件数は同日午後3時現在で8件だったが、うち5件は市町、病院など関係機関からだったほど。残り3件は予防の方法と「海外旅行をしたいのだがどうなるのか」という市民からだった。
感染病棟を有する市立病院を有している室蘭市はこの日、「感染症に対応する組織、計画がない」ことから、対策本部を設置できる要綱を策定することを決めたが「その後は国の行動計画に基づき進める」としている。
◆―製造業は出張者に注意喚起
室蘭市内の製造業大手はメキシコ出張者や予定者はいないが、米国出張に関しては、今後の国内外の感染状況の悪化によっては取りやめも想定している。
日本製鋼所室蘭製作所は28日に全社レベルの危機管理対策本部を設置。社員にメキシコ渡航の原則禁止と、米国のメキシコ国境地域渡航への注意喚起を呼び掛けている。ただし室蘭製作所は対象地域への出張者はおらず、ほかの国への出張者に人込みの回避、マスク着用、手洗い実施などを促している。
新日本製鉄室蘭製鉄所、新日本石油精製室蘭製油所、三菱製鋼室蘭特殊鋼室蘭製作所などもメキシコなどへの出張者はいない。北米への渡航については、最新情報収集と感染予防徹底を求めている。
市内の各薬局では感染予防マスクの売れ行きに今のところ変化はなく、需要増に備えている状態。ある薬局は28日にマスクの問い合わせが数件あったため、「これからウイルスや花粉を防御する精度の高いマスクを仕入れたい」と話している。
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