■ 室蘭など共同研究体による世界最高水準燃料電池実用化
【2009年1月25日(日)朝刊】


 室蘭などの産学官11機関によるコンソーシアム(共同研究体)が研究・開発を行った「高効率・高速起動固体酸化物型燃料電池(SOFC)」が、平成23年春の実用化を目指している。同コンソーシアムのメンバーである環境関連ベンチャー、フェニックス燃料電池(本社東京、鳥山彰社長)が主体となって、世界最高水準のSOFC開発・商品化事業を着々と進めている。

 同コンソーシアムは室蘭テクノセンターを管理法人にフェニックス燃料電池、室蘭工業大学など道内外の11企業・大学で構成。経済産業省の18、19年度地域新生コンソーシアム事業に採択され、研究・開発に取り組んだ。

 事業では、燃料電池の発電部「セル」を格子状のハニカム(ハチの巣)構造にすることで、酸素と水素が反応する面積を従来型より拡大。また、セルの温度分布を均一化させる技術を用いて、急速起動でも破損しにくくした。これにより、高い発電効率、短い起動時間を実現する試みだ。

 コンソーシアムの2年間の研究成果を受けて、20年度からはフェニックス燃料電池が事業の中心に。現在までに、起動時間は5分(従来型1・5時間)、出力密度はモジュール容積1リットル当たり28h(同6h)を達成。100h型発電機で高さ30センチ、幅25センチ、奥行き18センチと持ち運び可能な大きさだ。

 20年度は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の新エネルギーベンチャー技術革新事業に採択された。現在の課題は集電体に安価な金属を使うことによる製造コストの削減で、21、22年度の同事業フェーズ2の採択を目指している。

 21年度以降は耐久性や耐衝撃性の向上、一層の高効率達成、制御装置小型化などに取り組む予定。室蘭地域のコンソーシアム参加企業と連携・協力し、23年3月までに1台80万円程度の企業向け量産型発電機の販売にこぎ着けたい意向だ。

 一方、室蘭では、SOFCへの水素燃料供給方法の低コスト化、効率アップを目指す研究・開発に地元企業、室蘭テクノセンターが取り組んでいる。

 鳥山社長は「キャンプや災害時の野外発電、電気自動車の補助電源などをターゲットとして考えている。あと2年で高効率で高速起動のSOFCを市場に出したい」と意気込んでいる。
(山田晃司)

 
 


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