 任期満了に伴う登別市長選挙は10日、投開票が行われ、無所属で元会社役員の小笠原春一氏(41)=自民推薦=が、元登別市職員の田辺雅博氏(49)を743票差で破り、初当選を果たした。小笠原氏は道内35市の中で、西川将人旭川市長(40)に次いで若い市長となる。
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小笠原氏は「民間の発想を行政に」をキーワードに掲げ、市民力の結集を呼び掛けた。出馬表明は田辺氏に比べて約3週間の出遅れだったが、自民党登別支部や経済界、まちづくり関係団体を中心に幅広く推薦・支持を受けたほか、堀井学道議と一体となった選挙戦を展開。上野晃市長からも後継指名を受け、終盤で田辺氏を逆転した。
田辺氏は26年間の行政経験を前に出し、即戦力のニューリーダーを強調。草の根の運動に加え、連合をはじめとする労働団体の推薦を受けたほか、終盤には鳩山由紀夫・民主党幹事長の応援を得たものの、民間の力による変革を望んだ市民の前に涙をのんだ。
12年ぶりの市長選挙戦は、経済界出身者と行政出身者の新人同士による一騎打ちの構図に加え自民、民主の市議や道議、国会議員を巻き込んだ「政党対決」となった。今回の選挙結果は、次期衆議院選挙にも影響を及ぼしそうだ。
投票率は59・24%。前回選挙(平成8年、44・88%)は上回ったが、昨年の市議選(63・13%)を下回った。当日有権者数は4万3590人、有効投票数は2万5613だった。 (有田太一郎)
◆――― 登別市長選開票結果(選管最終)
当 13,178 小笠原春一 41 無新
12,435 田辺 雅博 49 無新
◆――― 登別に“春”が来た、その瞬間喜び爆発
夏の登別に“春”が来た―。10日投開票された登別市長選挙で、午後10時すぎ、開票の進行とともに小笠原春一さん(41)の当選が確実になると、中央町の選挙事務所では、かたずをのんで待ち続けていた支持者たちの喜びが一気に爆発。「やったぞ!市民力の勝利だ!」と大歓声に包まれた。
「生まれ育った大好きな登別のために尽くしたい」と出馬表明したのが7月10日、投票日のちょうど1カ月前だった。相手候補に3週間近い遅れをとったが、友人・知人やマチづくり仲間を中心としたスタッフとともに不眠不休の選挙戦を展開、見事当選を勝ち取った。
“市政を経営”する―。「民間の発想を市政へ。市民の力で行政を変える」と掲げ、昭和45年の市制施行以来、初めてとなる民間出身市長の誕生を訴えてきた。
選挙期間中、5期20年務め勇退する上野晃市長から、後継指名を受けた。小笠原さんは「上野市政の素晴らしい面を受け継ぎ、民間力を加えて進化させる」と約束。組織力に、市民力で対抗し、素人軍団の団結が、市民の心に届いた。
大歓声と拍手の中、幸恵夫人とともに選挙事務所に入った小笠原さんは、「大勢の市民のみなさんから支持をいただき、当選できました。ありがとうございます」と感謝と喜びの気持ちを述べた。
真っ黒に日焼けした顔が真夏の選挙戦の厳しさを物語る。「市民が主役の登別市が誕生しました。市民の力で勝ち取った勝利です」と力強く宣言。上野晃市長もお祝いに駆けつけ「安心して市政を引き継げます」と後に託した。
「小笠原市長バンザーイ、バンザーイ」。事務所内のヒートアップはとどまるところを知らず、新市長の誕生を喜び合った。 (高橋紀匠)
◆――― 「申し訳ない」深々頭下げる、落選の田辺さん
善戦及ばす−。26年の行政経験と即戦力訴えてきた田辺雅博さんは、民間出身者が持ち込んだ変革の風の前に敗れた。
午後10時すぎから伝えられる開票状況は混戦模様となったが、「小笠原当確」が伝わり敗北が決まると、「えっ、まさか」と脱力感が漂った。
静まりかえった事務所に姿を見せた田辺さんは「私の力不足。今まで頂いた支援や協力に応えられず申し訳ない」と深々と頭を下げ、感謝していた。 (有田太一郎、野崎己代治)
【写真=万歳三唱で初当選の喜びをかみしめる小笠原さん(中央)=10日午後10時40分】
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