■ 廃タイヤでCNT合成、田邉室蘭工大准教授ら
【2008年2月21日(木)朝刊】


 環境事業のE・C・O(釧路管内浜中町、大友優彦社長)と室蘭工業大学・田邉博義准教授は、「廃タイヤからのカーボンナノチューブ(CNT、筒状炭素分子)合成」に成功した。13―15日に東京で開かれた国際展「ナノバイオEXPO2008」で発表。3年後をめどに同社室蘭研究所(室蘭市海岸町、山本弘峰所長)を拠点に実用化を目指す。

 同社が昨年3月、CNT研究に取り組む田邉准教授に共同研究を持ち掛けた。田邉准教授は試行錯誤の結果、細かく切ったタイヤを蒸し焼きにして抽出された油(1次油)から、利用価値のある油成分を除いた残さ油(2次油)を炭素源にする方法を開発。この2次油に独自の処理を施すと、石英などの基板上にCNTが合成される。今月初めに特許を出願した。

 CNTは網目状の炭素原子が筒状になった構造で、直径十億分の一―数十億分の一メートル。電磁波を遮断する特性を持ち、建材や自動車部品、スポーツ用品などに活用できるナノテクノロジー(超微細技術)素材として世界各国で研究開発が進められている。

 「ナノバイオEXPO」では、同室蘭研究所が日鋼からの一部委託で取り組む「バイオメタン触媒の直接分解によるCNT製造」とともに出展。CNTとシステム紹介のパネルを展示したブースに3日間で国内外のメーカー、研究機関などから約1700人が来場した。

 同社では、経済産業省などの各種補助申請を準備中。適用後は室蘭研究所を拠点に3年後の商品化を目指した研究・製造に取り組む。一方、事業化を進めている「バイオメタン触媒の直接分解によるCNT製造」も、「ナノバイオEXPO」以降、ロシア、米国、カナダなどの海外を含む100社以上から引き合いがあり、さらなる量産化と品質向上を図っていく。

 山本所長は「2つのナノテクをさらに進化・発展させ、最先端の環境産業を室蘭から世界に発信したい」と意欲をみせている。

 
【写真=廃タイヤから合成されたCNT(手前)と、タイヤから取り出された原料の油】 


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