二酸化炭素(CO2)を排出しない車社会の実現を目指した「水素エネルギーを利用した『環境と交通』シンポジウム」が21日、室蘭市輪西町の市民会館で開かれた。地球温暖化防止に向け世界中でCO2削減が叫ばれる今、新たなエネルギーとして注目される水素エネルギーの可能性を有識者や技術開発者らの講演を交えて探った。
室蘭地域水素タウン研究会、北海道開発局の主催。約500人が来場した。初めに水素エネルギー分野で国際的に知られる武蔵工業大学の中村英夫学長が「水素自動車によるまちづくり」と題して基調講演。水素エネルギーが持つ可能性と現状を説明し「自然エネルギーが存在し、産業の発展した室蘭は、世界に唯一の水素モビリティー社会を実現できる」と提案した。
続いて5人の講師が講演。駐日ノルウェー大使館のペール・クリステル・ルンド科学技術参事官は、母国で取り組む水素燃料補給施設などを備えた水素道路プロジェクト「HyNor(ハイノール)」を紹介した。自動車メーカーのマツダプログラム開発推進本部の柏木章宏開発主査は、開発した水素自動車について、燃料電池と比較しながら構造上の特徴や実用性について解説した。
産業ガスのエア・ウォーター最高顧問で京都大学名誉教授の乾智行氏は、高速で水素を精製する「熱中和改質法」、室蘭市の山田進企画財政部長は室蘭における水素社会の実現に向けた取り組みを紹介した。日鋼室蘭製作所の小野信市特機部長は、水素エネルギーなど新エネルギーを利用したモデルタウンの具体的な中身と開発した水素貯蔵技術などに触れた。
最後に中村学長を除く5人の講師が、室蘭で水素社会を実現するための課題について意見を交換した。供給施設などインフラ整備で課題は多いが、風力発電などの自然エネルギーを有し、企業活動から安価に水素が入手できる室蘭は可能性が高いことをあらためて確認していた。
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